アラサー女の東海岸一人暮らし

ワシントンDCに住む女の考えごと

DCのメトロは超適当

DCに来たばかりの時、こちらに住んでる人間が揃いも揃ってメトロの不便を罵るのが不思議だった。いや、そうは言ってもみんなが使う公共交通機関なんでしょ、たまに遅れたりするくらいじゃないの?と。
 
でもしばらくメトロを使う生活してみると、怒りの意味がわかる。毎日メトロにイラついている気がする。なぜならば…
 
・時間通りにこない(そもそも時刻表がない)。
・ホームの掲示板にあと何分、という表示はあるが一切信用できない。見上げるとあと5分となっており、数秒後にまた見上げるとあと28分、とかになっている。実際に来るのは1分後だったり35分後だったりする。
・朝はまだよいが昼間は30分に1本くれば御の字。
・常に工事中(駅のエスカレーター、エレベーターなど)。駅毎のホームページには、いま何が壊れているのか知らせるページがある。それくらい常に何か壊れてる。
・複線なのに、1日の半分くらいは単線で走ってる。
・ホームに降りて30分経っても電車がこないからタクシーで行こうと思い改札を出ると入場料金がひかれてしまう。改札の人に返金してくれるよう言ってもダメ。
・運転が荒い。急ブレーキをしょっちゅうかけるので、手すりにつかまらないではいられない。
 
アメリカは車社会だから通勤も車の人が多い。電車は車を買えない層が乗るもの、という感じなのでインフラではないんですな。鉄道会社というのは鉄道の運行だけじゃどんなに乗客数が増えようと黒字にはならないそうだ。日本の鉄道会社も百貨店とか不動産とか周辺地域の商業含めて商売が成り立っているらしい。
こちらのメトロも、自分達だけでは立ちゆかないので、州から補助金を受けてるが、それでも常に赤字で、何か壊れても直せないし、運行も信用できないし、ますます人が使わなくなり、と悪循環。
個人的な不満は、地下を走っている間、ネットに繋がらないのがストレス。日本も数年前までそうだったのにね。
基本車両はボロボロで座席もゴミだらけで汚いけど、時々新型車両が走っててそれは川崎重工製できれい。言われてみれば横須賀線的な乗り心地があるような。
 
そして治安。
メトロの治安は正直言って、悪い。
昨年に、メトロのメジャー車線であるレッドラインで平日の朝10時に車内で女性がレイプされるという事件が起きた。電車でレイプだなんて信じられなかったけど、メトロに乗ってると確かにあり得るなという感じがする。なぜなら、
・車両間のドアはロックされており行き来ができない(別の車両に逃げられない)
・平日の昼間はガラガラになる 車両に1人か2人ということも珍しくない
・座席が進行方向を向いているので、車内を見渡せず死角ができる。
・前述した通りメトロに乗る人は車を買うお金がない人たちが多く、路線によってはかなり危ない地域を通っているので、乗客にあやしい人が多い。
 
わたしも平日の10時くらいに運転免許手続きのために郊外方面に行くメトロに乗ってたら、ある駅で乗客の多くが降りて、黒人のあきらかにあやしいおじさんと、車椅子の白人の人と、車両で3人になってしまったことがある。
あやしいおじさんは酔ってるのかラリってるのか、ずっと手足をバタバタさせながらぶつぶつ呟き続け、わたしにも近づいて何事か話してきたので、寿命が縮んだ。あわてて次の駅で飛び降りたけど、またそこから次の電車がくるまで30分近く待たされ、なんだかなぁという気持ちになったけど、安全には代えられないよね。。
護身グッズ、スーパーにも売ってるので買うのもありかもしれない。
 
あと、この前はじめて電車内でパフォーマー(?)を見た。
ある駅で乗ってきていきなり「〇〇(たぶん名前)'s  show time!!!」と叫んで、爆音の音楽を流しながらで踊りだした。よく海外動画でニューヨークの地下鉄の風景、みたいな感じで紹介されているようなやつ、そのまま。
しかしあんまりうまくなかったし、うるさいし、じっと見るとチップを払わないといけないんじゃないかと思ってあんま見ることなくKindleに熱中していたのであった。

家賃支払狂想曲

こちらの住居については、有難くも前任者のマンションの部屋をそのまま使用できることになっており(前任者は半月前に退去)、事前に部屋を予約していた。(確か予約金で3万円くらい払った。)


アメリカは基本的にマンションごとにleasing officeがあり、管理人がいて、管理人と入居者で契約する。
予約については日本にいる間基本メールのやりとりで行ったが、あまりに酷い対応でストレスがたまりまくり精神を病みそうになった。どれだけ酷いかというと、こんな感じ。
・メールのレスポンスが悪い(3回くらいリマインドメールして、はじめて応答)
・答えやすいようQuestion 1, Question2 と箇条書きにして質問を書いているのに、ぜんぶに答えない。回答率7割くらい。
・私へのメールを別人に送る(そのメールには私のデビッドカードの番号が書いてあるのに!)
・デビッドカードで謎の引き落としがあったので、この支払いは何に関するものか、と聞いても答えない。3日に1回聞き続けて12日経って回答。
・私へのメールを別人に送る。その2。今回はたまたま前任者だった。前任者が転送してくれなかったら内容がわからない。契約書はvia bluemoonで送るね、と言ったままこない。
・米国到着が◯日だから、×日に契約しに行くけど問題ないかと質問を送る。→返事なし。

住居なんていう高い買い物(借り物)を契約する相手なのにこんな雑な対応ですごく嫌でした…。しかも自分で言うのなんだけど、相場より高めのマンションなのに。でもアメリカに住んだ人に聞くと、アメリカってこんなもんだそうです。行く前から気が思いやられる。
でもまぁなんとか予約はできていたので、後はアパートに行って契約するだけだと思ったら、ここからも大変な難関であった。

まず、管理人のところに行く。

「アパートを予約したんだけど」と言うと、「契約した?」と聞かれる。「いや契約しに来たんです」と言うと、「うちは契約手続きはオンラインのbluemoonっていうソフトでやるの。あなたのメールアドレスにリンクを送るからその手続きを終えたら、最初の家賃と敷金の分の小切手を持ってきてね」とのこと。bluemoonってそういうことだったのか。
銀行口座を開設したばかりでまだ小切手がない、と伝えたら、じゃあマネーオーダーでもいい、そこのSafeway(スーパー)でも作れる、とのこと。

ここからマネーオーダー入手の旅がはじまる。
マネーオーダーというのは、銀行の小切手を持ってない人が使える小切手のようなもので、お金を払えば扱っているお店で買うことができます。

このページに書いてあるような感じ。

www.design-penguin.com


このマネーオーダー、現金でしか買えないのかクレジットカードorデビッドカードで買えるのかはサイトによって言ってることが全然違う。現金で買えた報告も買えなかった報告もある。
なお、払わなければいけない金額は敷金(deposit)とか含めて40万円くらい。残念ながら現金をそんなに持ってきていなかったのでもし現金なら追加でおろす必要あり。

・まずは家から近いSafewayのサービスカウンターに行く。カウンターに人がいなくて、呼び出してもらう。人が来るまで10分くらい待つ。マネーオーダーを作りたいんだけど、というと今日は機械が壊れてる、とのこと。じゃあ明日は直ってる?と聞くといつ直るかわかんないからまた来てくれ、とのこと。

・ネットによるとセブンイレブンでも発行してくれる、とのことで歩いてセブンイレブンまで行ってみる。発行できるけど、現金払いじゃないとダメとのこと。じゃあセブンイレブン内のATMでおろそうと思って見てみると、ATMの画面がブルースクリーンになってエラーになってて動きそうにない。

・この日はだいぶ雪が降っており、歩き回るのも寒いのでいったん諦める。

翌日
・雪でつるつる滑る中、昨日のSafewayに行ってみる。機械は直ったらしい。払おうとすると、現金じゃないと受け入れられないとのこと。

・とりあえず現金を下ろそうと、適当な銀行のATMに行ってみる。カードは受け付けるのだが、なぜか引き出しができない。街中にあるいくつかのATMで試すがダメ。

疲れてホテルに戻ってきてホテルの地下にあるATMを試してみる。すると、やった!お金が引き出せる!しかしなんと1回あたり200ドルしか引き出せないうえに1回4ドルも引き出し手数料がかかる。2万円おろすたびに400円かかるって…。。何度も何度も無駄な手数料を払いながらなんとか現金を揃える。

・先ほどのSafewayに戻る。現金持ってきたというと、そんな高額のマネーオーダーは作れないとのこと。それを先に言ってくれ!何枚かにわけることもできないのかと聞いたが、冷たくあしらわれてしまった。

他にもマネーオーダーを扱ってるとネットに書いてあったUSPSの窓口に行く(コンビニと郵便窓口が合体したような半官半民みたいな場所)。
ここでも、そんな金額のものは作れないと言われる。他にどこなら作れそうか聞いてみたら大きなスーパーか、本物の郵便局に行ってみたら?とのこと。

・大きなスーパー(その名もGiant)に行ってみる。サービスカウンターに行くと、マネーオーダーのマシンが壊れてると貼り紙がしてある。なんで!?そんな頻繁に壊れるものなのか?!

・次は郵便局に行ってみる。マネーオーダーを買いたいと言うと、現金で払うの?デビッドカードで払うの?と聞かれた。ここではデビッドカードで払えるんだ…と思いつつ、いざ買おうとするとIDを見せろとのこと。パスポートを見せると、State(州)発行のIDじゃないとダメとのこと。まだ来たばかりで州発行のIDなんてないと言うとじゃあ作れない、と冷たく言われる。

・もう打つ手がなくなり、管理人に事の顛末を全て説明して、どうしても作れないから現金で払えないか、と問い合わせる。すると、じゃあ手数料を8%取るけどクレジットカードでもいいよ、とのこと。それを先に言ってくれ!

これでなんとか無事契約ができました。寒い中色々なところを彷徨い歩いて、丸2日かかった…。その結果8%の無駄な手数料と、こんなにいらない大量の現金とそれを引き出すためにかかった無駄な手数料。疲れた…。

色々な窓口に行って思ったことは、みんな全然親切じゃない(笑)。アメリカ人って結構親切なイメージあったんだけど、東海岸だからかな。質問しないと教えてくれないし、質問しても(私の英語が下手だからかもしれないけど)"Huh??"と馬鹿にしたように言って終わりとかしょっちゅう。
あと、日本だと、窓口の人が要求に応えられない場合でも「申し訳ありませんが現金は受け付けておりませんので…」みたいに困った感じで言ってくれるから、まぁ残念だけどしょうがないか、って感じがするけど、顔色変えず冷たく一言"No"と言われるので、ただただ悲しい気持ちになるね…日本のこの低姿勢さがモンスタークレーマーを生んでしまうのかもしれないけども。

何はともあれ、めちゃくちゃ遠回りして、家をゲット…。疲れました。

出発~到着初日

DC行の直行便は、成田10時40分発。

直行バスで、2時間前に到着して、あらかじめヤマトで送っておいた荷物を受け取る。(荷物・引っ越し関連は別エントリで書きます)

ANAのカウンターで、その荷物を預ける。エコノミーは無償での預かりが2つまでのところ、3個預けるので、超過料金を支払う。1個あたり2万円。高い!

 

アメリカに行く際には使えないけれど、

手ぶら・空港宅配サービスというのがあることを知りました。(JALも同様のがあるみたい。)自宅から、到着空港(!)まで直接届けてくれるのって、とっても便利。

www.ana.co.jp

空港までガラガラ荷物引いていく必要もないし、カウンターやオンラインチェックイン機械の列に並んで荷物をあずける必要もないわけですね。今度から旅行のときはこれを使おう…しかしなぜアメリカは使えないんだ。

 

見送りの母と別れて、出国検査。スーツケースに放り込んでいた筆箱の中にハサミがあり(持ち込めないとわかっていたのに完全に失念していた)、検査にひっかかって、検査員の女性に持ち込み手荷物を念入りにあらためられる。きちんと整理できておらずすごく恥ずかしい。大学4年でトルコに旅行に行った時も、友人の忠告をきかずに、履き終えた靴下とか袋にもいれずそのままつっこんでいたら、空港でランダムな開封検査にあたってすごく恥ずかしい思いをしたのに、なにも学んでない…。いや学んではいる、実行できないだけで…

 

なんとか通り抜け、機内へ。

13時間くらいの道中、ずっと、機内エンタメにあったスラムダンクベストアルバムを繰り返し聞く。(なのに寝ているときには変な夢を見て、到着時のコンディションは最悪)あなただけ見つめてるって、こんなにかっこいい曲なのに歌詞が前時代的すぎてやばいな。

 

ダレス国際空港につく。飛行機からメインターミナルまでは、見たことのない謎の乗り物で移動する。床の高さが上下する、バスのような乗り物。※調べたらモービルラウンジというらしい。

ついて、一番緊張したのがアメリカの入国検査。今まで旅行ならば、簡単な質問で済んだけど、VISAを持って長期間滞在するわけだし、複雑な質問をされたらどうしようとかなり身構える。せめて、いかつくない女性にあたれ!と念じていたのに、並ぶよう言われた列は、巨大な体積の黒人男性…。半泣きで進みます。

もうひとつ、懸念していた点は、食品の持ち込みについて。

アメリカの入国時、旅行であろうが長期滞在であろうが、税関申告書を提出させられ、そこでは、アメリカが輸入を禁止しているもの(植物や精肉や病原菌など)について、所持しているかしていないかをYES/NOで答える形となっている。植物や精肉はもちろん持っていないけど、今回長期滞在のために、食品を大量に持ってきてる(段ボール2個分くらい)。悩ましいのは申告書には以下の表記があること。

  私(私たち)は以下のものを持ち込んでいる
(a) 果物、野菜、植物、種、食品、昆虫

果物も野菜も昆虫も持ってないけど、食品は持ってるよ、という。まあ普通に考えて旅行にいくとき一切食品をもっていかない人っていないですよね。ネットで調べても、正直に申告したというひとと、持ち込んでてもNOと回答している、という意見どちらもあってとても悩んだのですが、持ってきている量も多いし、悩んだ末に正直にYesと回答しました。後ろに品目を書く欄があったので、Daily Food (non-meat)と書いてみました。

 

巨大な黒人男性からの質問は3つ。(と私のたどたどしい回答)

・何をしているのか(What is your work?)

→ Now? I work for Japanese company.

・じゃあなんで米国にきたのか(So, why you came US?)

→ I will start to study at (研究機関の名前)

・食品は何を持ち込んでいるのか(What kind of food do you have?)

→ Dried noodles, japanese seasoning and so on. These are non-meat.

 

これで解放されて一安心。あと両手指の指紋と写真撮影。

人によっては、回答如何にかかわらず、荷物内の食品をチェックされたりもあるようですね。運よくそうならずにすみました。

あとはターンテーブルで荷物をピックアップして、無事入国。

 

DC近郊のホテルを取ってたのでホテルまではFlyerという乗り合いバンに乗れれば安く済む(30ドルくらいの模様)かと思っていたけど、空港でだらだら過ごしていたら、なくなってしまったみたい。(到着便にあわせて稼働するらしい。そりゃそうか。)

なので、タクシーにお願いしました。60ドル。高い。ひとりで気楽なのはいいけれど。そしてアメリカではタクシーは20%くらいのチップが必要なので、72ドル払えばいいかと思ったけど、細かいお札がなかったし荷物を4個もトランクにいれてくれたから仕方ないかと思って80ドル払う。。。(クレジットカードで払いたかったのに機械が壊れていたので、貴重な現金を使用…)

 

ホテルは正午すぎにも関わらずチェックインさせてくれたので、荷物を運んでくれたひとに4ドルチップを渡してばたんきゅー!なんとか着いた!きたぜアメリカめ!

 

 

はじめに

2017年1月から会社の指示によりアメリカ東海岸のワシントンDC駐在を言い渡されたアラサー女の日常を書いていきます。

決めごとはふたつ。

・会社の人や家族に見られても大丈夫な内容のみ書くこと(自戒をこめて)

・女が1人で暮らしていく、という観点。

 

二点目について。

駐在生活や駐在準備のためにたくさんインターネットを検索しました。ありがたいことにたくさんの先達が有用な情報を提供してくださりとても助かる一方で、駐在は夫婦が帯同であることが多く、夫婦(+子供)で行くことを前提とした情報ばかりだと感じました。

加えて、別に結婚していない(できない)ことをマイナスには考えてませんが、「ダンナくんが引越し準備全然手伝ってくれなくてプンプン(怒)」みたいなのを見るたびに、「いや一緒に行く人いるだけいいじゃん…」とイラついた気持ちが。もちろん彼女たちにも彼女たちならではの悩みがあることは百も承知ですが。

なので、周囲から結婚だなんだのプレッシャーを受けながら、それでも1人で海外で仕事/勉強をしていくことを選んだ人間が心を荒らすことなく読めるブログを心がけたいと思います。

よろしくお願いします。