アラサー女の東海岸一人暮らし

ワシントンDCに住む女の考えごと

スポーツ観戦 その2 野球

 

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イチローを見た!!!!

 

 

DC近郊にはふたつ野球チームがある。

ワシントンナショナルズボルチモアオリオールズだ。どちらもそれなりに強いらしい。ナショナルズの球場は中心部からも近いNavy yardというところにある。
ナショナルズの開幕戦が4月頭から始まるが初戦三連線の相手がマイアミマーリンズと聞いて、なんとしても行かねばと思った!そう、マイアミマーリンズには今イチローがいる!イチロー見たい!

三連線は月曜のデイゲーム、水曜のナイトゲーム、木曜のデイゲームだ。イチローがでる可能性はわからないが、働いてる人が多いので水曜のナイターのチケットを買った。
チケットは公式サイトでも買えるようだけどtickpickというチケット売買サイトで買った。コンサートやスポーツのチケットはここで買うことが多い。

 

19時05分に試合開始で、18時ごろ球場についた。近くのお店やひらけたスペースではみんなお酒を飲みながら楽しんでおり、テンションも高まる。

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二階のスペースでみんな飲んでる。

 

 

席は、開幕戦だから少し全体的に高めであったが、65ドルで三塁側の内野席前から10列目。

こちらの球場は客席とグラウンドの距離がめちゃくちゃ近い。1列目の座席はグラウンドとほぼ同じ高さだ。10列目でも、超近い。三塁の選手なら表情も見えるレベルだ。

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座席からの風景。

 

まだ明るいなか試合開始。近いから臨場感が半端じゃない。ファールのボールが時々客席に飛んでくるので試合から目を離しているとかなり危ない。
ビールの売り子のおじさん(こちらは東京ドームみたいに若い可愛い女の子ではなく普通のおじさん)があの手この手でビールを買わせようと気を引いてくる。飲む気なかったのに、おじさんの挙動があまりにおもしろいから買ってしまった。買ってたらちょうどファールボールがきて危なかった。

 

試合はナショナルズ優位ですすむ。途中ホームランも何本かあって飽きない試合。回の交代のたびに、大画面に色々エンターテイメントがうつる。観客席にグッズを投げ入れたり、野球にまつわるクイズとか。飽きさせない仕組みがあってよいね。
そのなかでもザ・アメリカなのが"Kiss Cam"。カメラがカップルを撮影し、撮影されたカップルはキスをして、それが大画面に中継される。やーー、これ、どこでも普段から気楽にキスしてるアメリカならではですよね…もし浮気相手とかと来ていてカメラに抜かれたらどうするのだろうか……


大リーグでのお決まりイベントは、7回表が終わった後でみんな立ち上がりストレッチをしながら「私を野球に連れてって」を歌う。昔アメリカの大統領が観戦した時に、7回表が終わってストレッチしたのを観客が真似たことから始まったそうだ。

あとは首都ならではのエンターテイメントだけど、ナショナルズの試合では、歴代の大統領のマスコットが、グラウンドでかけっこをするというイベントがある。私が見たときはリンカーンが優勝していた。このキャラクター、球場の色々なところに出没する。

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優勝したリンカーンさん。

 

そんなこんなを楽しみながら、回は進むがイチローのでる気配はない。ベンチには姿がちらちら見えるから、可能性としてはありそうだが。。アメリカ人は、前回の記事で書いた通り、試合が決まると早々に帰る。8回くらいには半数以上の人が席を後にしていてだいぶ終わりかけたムードだし、今日は見れないかと諦めていた。

 

 

が、そんな諦めかけていた9回、イチローが代打で登場!!!!!私含め、見ていた日本人は絶叫!!(イチロー目当てにDCに住む日本人がかなり観戦に来ていたようだ)

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帰った人のおかげで席がだいぶあいていたので、勝手に前に詰めて、ほぼ一番前に陣取った!係員も何も言わない。笑
イチローに熱狂している日本人に苦笑する現地のアメリカ人。誰かがI like Ichiro!!と声をかけてくれたのでme too!!!!!と叫び返す。

見てください、これがイチローです。デジカメでとりました。ほとんどズームしてないでこれです。

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あの有名な打撃前モーション!

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今回はヒットは打てなかったのですが、イチローが打席に立っている姿を生で見られて、単なるミーハー的な嬉しさ以上に強く心が動かされました。
体格の立派なアメリカ人選手の中ではかなり華奢に見えるイチローが何年も大リーグで結果を残し続けてるのはどんな努力と苦労があることか。イチローの凄さとはとても比較にならないけども、アメリカ生活で日々もがいている私にとって、日本人の活躍を目の前で見ることができたのは、とても勇気付けられました。

今度は本拠地マイアミで見たいな。

 

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スポーツ観戦 その1 アイスホッケー

アメリカの四大スポーツは、アメフト、アイスホッケー、バスケ、野球。日本人からするとサッカーが入ってないのが意外な気がする。

 

私の住むワシントンDCもこの4大スポーツそれぞれチームを持っていてそれなりに強い。周囲のアメリカ人はみんなこの地元のスポーツ観戦が大好き。電車に乗っていると試合がある日は各スポーツのユニフォームを着ている人をたくさん見かける。


DCに住んでる間に全部1回ずつは見たいなと思ってる。のでまずはアイスホッケーから見に行った。
チケットの入手方法は、公式サイトから買うとか色々あるけどtickpickというチケット売買サイトで買った。3階席で1席5000円くらい。

 

 

DCのアイスホッケーはDC Capitalsと言う名前。チームカラーは赤で、ファンは"Let's go Caps!!"と声援を送る。


場所はベライゾンセンターという巨大なアリーナ。Lady GAGAのライブもここでやるらしい。下にコートがあって観客席はすり鉢状になってるわけだけど、すり鉢の角度が急だから、3階席とかでもあんまり遠さを感じない。上から見下ろす感じで、よく見える。バスケの試合もこのアイスホッケーのコートの上に板を乗せてバスケコートにするらしい。

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パノラマで撮ってみた。

 

ベライゾンセンターは治安の悪いとされるチャイナタウンのすぐ隣にある。なので超治安が悪い。夜は駅自体が麻薬の匂いがするし、明らかにクスリやってますと言う感じの人や叫んでる熱狂ファンみたいな人もたくさんいて、一人ではとても怖くて歩けないと言う感じ。

 

入口で荷物検査を受けるけど、あまり大きな荷物はダメなようだ。ほとんどの人が手ぶら。会社帰りに見にくる人とか荷物どうすんのと思ったけど、多くの人は車で来るから車に置いてこれるのね。またスーツの人も全然いないなと思ったら、みんな一度家に帰るんだそうな。17時にはみんな帰れるアメリカならではですな……

 

試合はみんな会場内で売っているビールとかハンバーガーを食べながら観戦する。アイスホッケーのルールはよく知らないけど、感覚的にわかるので面白い。サッカーとかバスケよりも面白いところはゴールの後ろもプレー領域ってところと、壁の反射が使えるというところですね。

休憩のたびにスクリーンに客席を写したり、スクリーンでミニゲームがやっていたりと飽きさせない工夫がしてある。ハーフタイムにはスポンサーであるトヨタの車の宣伝で、トヨタ車の風船がドローンに乗せられてプカプカ会場を浮いていたりして面白かった。

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アイスホッケーに限られないけど、アメリカのスポーツは、客席にホームとアウェーという概念がないそうだ。日本だと野球でもサッカーでもバスケでも応援する場所がホームチームとアウェーチームでわかれてるけども。まぁアメリカは広大だからアウェーのゲームを見に行くという考えがそもそもないんだろうなー。とにかく観客はみんな揃って地元のチームを応援しているという感じ。相手チームファンに対抗するという観点がないからなのかわからないけれど、決まった応援の型とかあんまりない。確かにみんなユニフォームを着ているしLet's go capsという掛け声は一応あるけども、ファンの一体感というのはなく、応援しにきているというよりそれぞれが楽しみにきている、という感じ。また映画に引き続きいちゃいちゃしてるカップルが多い。

 

結局この日の試合自体は地元のキャピタルズが負けた。んだけど、興味深いと思ったのは、勝負がついたと思うとみんな帰る。残り10分くらいあって2点差になったらみんなぞろぞろと立ち上がって帰り出す。「え、地元チーム負けてるんだから最後まで応援しないの?」と思ったんだけれども、試合終了時には半分以上の人が帰ってしまっていた。
確かに試合終了後は交通も混雑するし先に抜けるというのもわかる、でも個人的にはそんな全身ユニフォームかためるくらいのファンなら、最後までチームを応援するのかなと思ってたので意外だ。
あと、負けてる時の試合への興味のなさがすごい。個人的には負けている時こそなんとか逆転するようチームを応援しなきゃ、と思うので、これも以外だった。
こんなことを言ってはあれだけど、チームを応援しているというより試合に乗じて騒いだり盛り上がったりしたいだけなんじゃないの、思っている。後に見に行った野球も、全く同じ構図で、この時は地元チームが勝ってたたけど8回表くらいでみんな帰り始める。終電もまだまだ余裕ある時間なのに。私はまだ行ってないがバスケを見に行った知人も同じことを言っていた。
うーん不思議。スポーツはエンターテイメントだから楽しませない部分はいらない、ということだろうか。

 

ロックンロールマラソン in DC

3月11日にDCでやっていたRock 'n' Roll marathon(ロックンロールマラソン)というものに出てきた。ハーフマラソンで参加して、一応完走した。

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スタート前の様子。

 

ロックンロールマラソンとは全米中でやっているマラソン大会で今年20周年らしい。今年だけでもこんなラインナップだそうだ。

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このロックンロールマラソンの特徴は、数マイルごとに音楽の生演奏が行われており、音楽で走者を応援して盛り上げる、というもの。

普段あんまり走ったりしないのだが(たまに近所を5キロくらい走る程度)、3万人くらいが参加するかなり規模の大きいマラソンでDCの車道を封鎖して走ると聞いたため、普段見られないDCの姿が見られるかと思い、知人と一緒にハーフマラソンに申し込んだ。今回は、フルとハーフと5キロの選択肢があった。申込はグルーポンのクーポンを使って80ドルくらいだったと思う、たぶん正式料金は100ドルくらい。
本番前に練習しようしようと思っても飲んでしまったり雪が降ったりして全然練習できなかったのでほぼぶっつけ本番であった。

・前日
マラソンに使うゼッケン一式などをとりにいく。今回のゴール会場はRFK Stadium。DCを本拠地とするサッカーチームDC Unitedのホームである。ここのすぐ近くの陸軍施設?の一部が巨大な体育館になっており、本番の前々日と前日にゼッケン引き取り兼プレイベントみたいなのをやっている。
ゼッケンの番号は、申込時に自己申告する推測ゴール時間によって割り振られる。私はまったく自信がないので4時間半と申告、ほぼ最後スタートのグループだ。
プレイベント会場では、走り方のアドバイスがもらえたり靴やウェアや栄養食品が売ってたり、スポンサーのブースがあったりして一大産業という感じ。
ゼッケンと袋をもらって、準備する。ゼッケンは安全ピンでTシャツにつける。バンドを渡されてそれを靴につける。このバンドの中には走者固有のチップが入っているらしく、1マイルを通過するごとにその情報がホームページ上でアップデートされて、いまどこまできてるかわかるようになっている。
前の日は飲み会だったがさすがにビール3杯でやめておいた。なお、ハーフのスタートは8時半。土日のメトロは7時くらいからしか動かないのでほぼ始発での出発。

・本番
たくさん走るならせめてお腹すかないように…と日本から持ってきたうどんを大量に茹でて朝ごはんにする。
なおこの日は最高気温2度。マラソンは午前中なので普通に氷点下だ。服装も悩む。走るときはウィンドブレーカーとして、それまでの待ち時間とか寒そうだけど、会場には着替える場所もないし、と悩んでもう面倒になってそのまま行くことにした。
7時前に家を出て最寄りの駅につくと、ランニングウェアの人がたくさん。電車の中もこのマラソンに出る人ばかりだ。
スタート地点の駅でみんな降りるので、流れに乗って降りる。f:id:dcdemorouhi:20170320133431j:imageこの写真の人たちみんなマラソン参加者。寒さ対策にゴミ袋とかを頭からかぶってる人もいる。ゴミ袋ならそのまま捨てられるからか…頭いいな…
昨日もらったビニールバックにいれればレースの間荷物をあずかってもらえる。UPSのトラックがずらりと並んでおり預ける。

f:id:dcdemorouhi:20170320133457j:imageトラックはレース中に移動してゴールすると受けとれるようになっている。荷物も預けて、準備万端。
8時半スタートだけど、100人くらいいるブロックごとに「3.2.1. start!!」を繰り返すので最後の方のブロックの我々がスタートしたのは9時ぴったり。知人は普段から運動しているので最初だけ私のペースに合わせて走ってくれることになった。

走り出すと風がめちゃくちゃ顔に当たって寒い!氷点下なので陽の当たるところはまだいいが、日陰はかなり寒い。
それでも走っているうちにそれなりにあったかくなってくる。道路の端には走者が脱ぎ捨てたと思われる服とか手袋とか帽子が大量にあってあぁこのなんでも道路に捨てる感じアメリカだなぁという感じがする。
数マイルごとの生演奏というのをちょっと楽しみにしてたけど、全然ロックじゃなくてなんか素人に毛が生えたような地元のバンドがカントリー調の歌を歌ってたりして、あんまり応援にはならなかった。
でもまぁ普段走れない車道を走るので楽しい。アメリカの道路は広くて片側5車線とかあるので、みんなでだらだら走っても全然窮屈じゃない。ザ・ワシントンDCという感じの都会の道から住宅街や川沿いなどコースの景色も様々で飽きない。国会議事堂までまっすぐ走る道が気持ちよかった。

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(正面が議事堂)

 

沿道に地元の人が応援に出てたりして、ハイタッチしながら走る。
最初の10キロくらいはなんとか走り続けたがあとはもう下り坂は走り、上り坂は歩く、という感じで走ったり歩いたり適当に進んだ。
一番きつい坂はここ。

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一番きついから気分を盛り上げてくれようとしているのか沿道には等間隔で軍隊の人がアメリカ国旗を持って並び、殉職した軍隊の人の写真が足元に飾られている。でもこの勾配は無理!!

 

レース中、色々な格好をしている人がいたけれど、結構目についたのは背中のゼッケンとかに"in honor of 人名" "Remember 人名"とか書いてる人。死別した人とか大事な人のためにレースを走る、というのが一般的なのね。私もレースがちょうど3月11日だから東日本大震災関連でなにかやったほうがいいのかと黒い腕章でもつけようかと思ったけどそれで完走できなかったらよくないかなと思ったけどやればよかった。しばらく同じペースで走ってた人の背中に"Don't forget Vietnam war"と書いてあった。きっと近しい人をベトナム戦争で亡くしたんだろう。

とか色々なことを考えて走ったり歩いたりしながら一応ゴールできた。2時間46分。はじめてにしては上出来じゃないでしょうか。また出たいな。ゴールではこんなメダルがもらえる。

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あとゴール地点ではビール飲めることになってたけど寒くてビールなんかとても飲みたい気分じゃなかった。夏ならゴール後のビールめちゃくちゃ美味しいだろうなぁ!無料で配られてるバナナがとても甘く感じた。

 

走りながら興味深いと思ったことが2つ。

ひとつは、レースにはほとんど白人しかいなかった。DCは人口に占める黒人の割合が高い。去年日通にもらった資料によると住民はアフリカ系57%、白人38%、アジア3%、ヒスパニック8%、となっている。アメリカの他都市に比べてアフリカ系の比率が極めて高い。
DCの人口の半分以上が黒人なのにDCでやったこのマラソンレースに出ているのは9割以上が白人だったように感じた。アジア系もほとんど見なかった。
高い参加費を払うことができて、普段から走る健康的な生活ができている人はほぼ白人なんだなと思って、あらためてこの国の分断を感じた。

 

もうひとつはこれまたDCならではなのかもしれないけど。地元の人らしき人が沿道に出てプラカードみたいなのを持って応援してくれていた。プラカードは単純にGo!! Go!!とかYou can do it!!みたいことが書いてあるものが多いんだけど、かなりの数見かけたのがトランプを風刺するもの。
"You can do it, because you are not Trump"だの"You are better than our government"だの"Run away!! Trump is casing you"などなど、よく考えつくなという言葉とともにトランプの風刺画が踊ってます。こんなのを21キロ走る間、30個くらい見たよ。

これって走ってる人を応援してるわけじゃなくて、ただ自分がトランプ批判したいだけじゃんね。私はトランプに賛成でも反対でもないけど、なんだかすごく嫌な気分がした。いくらDCはヒラリー投票者が多いとはいえ、トランプ支持者だっているし、レースにも参加してるだろうにね。そういうことには考えが及ばないんだろうか。アメリカの、政治的主張を誰でも自由に表明できる雰囲気はいいことだと思う一方で、場所は選ぶべきなんじゃないかなと思う。マラソンの場では最大に尊重されるべきは走者なんだから、走者が不快に感じる可能性のある言葉は使うべきではないでしょう。
まぁDCは基本リベラルの地域なのでリベラルの鼻に付く感じというのは日々感じます。こういう雰囲気がトランプ大統領という存在を産むんだよなとすごく納得している。これはまた今度書く。

 

日頃の運動不足がたたって筋肉痛1週間続いたけど、またマラソン走りたいな。狙うは海兵隊マラソンかな。

アラートにまみれる

こちらにきてすぐの頃色々な人にAlertを受け取れるようにしとくといいよ、と言われた。住んでいる地域のAlert通知サービスに登録しておくと、電車の運行状態とか気象情報とか色々な情報がメールもしくは電話番号へのテキストメッセージで送られてくるのだ。

で、私もDC付近のアラートに登録しているんだけど、毎日平均して20通くらいの量が送られてくる。これはある日の通知。

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交通事故とか道路封鎖とか寒気に注意みたいなアラートがばんばんくる。Hypothermiaというのは寒気の気象用語(たぶん)。マラソンがあるからこの道路が封鎖されるとか雪で政府機関の営業開始が何時になる、とかもくるので便利。それに加えて、Electric outage(電気不通)やWater outage(水道不通)の通知も毎日のように届く。「○○ストリート付近では12時から電気通ってません」みたいな。日本で生きていて、マンションの保守点検とかによる一時的な断水はまぁ数年に1回くらいあったような気がするが、このアメリカの首都であるワシントンDC、ありとあらゆるところでしょっちゅう電気や水が不通となっている。電気と水って生きるための最低限のインフラではないんだろうか… 電信柱が地下に埋まってるから道路工事するたびに電気止まっちゃうのかな。世界一の大国でありながらインフラが脆弱なのは本当に不思議に思うところ。

 

また興味深いのは、人探しのAlertもくる。
子供が誘拐された際に使われるamber alertと老人が行方不明になった際にsilver alertだ。これらは携帯向けのメッセージだけでなく、高速運転してると電光掲示板に出てたりもする。amberとは、数年前に誘拐の後強姦されて殺害されてしまった少女の名前とAmerica's Missing: Broadcasting Emergency Responseをかけているんだそうで、彼女の誘拐事件をきっかけに、誘拐事件があったら周辺住民の携帯電話に通知がいくシステムが始まったそうだ。

昨日もsilver alertを受け取った。
行方不明になった老人の顔写真が添付されて、身長体重、目の色と髪の色と最後に目撃された場所が書いてある。目の色髪の色が書いてあるのが多人種国家という感じがするね。で、アメリカらしいなと思ったのは、車の車種とナンバープレートも書いてあるのである。こちらの老人は行方不明になるときに車に乗ってるということだ。行方不明になるということはたぶんそれなりに痴呆とかが進んでいると思うんだけどそういう人でも車を乗り回しているのが、不思議なような、怖いような。だってねえ、同じ道路を運転しているわけでしょ。
日本でも高齢者の免許返納が問題になってるけど、日本以上に車に依存する社会のアメリカはどういうふうに対処してるんだろう。知り合いに聞いた話では免許更新は1年ごとで、そこで色々ボケてないかのテストがされるそうだけど。
昨日の行方不明になった人はinharmedな状態で見つかったと報告アラートがきてた。よかったよかった。

アメリカAmazon事情

最近日本で宅配業界の疲弊が問題になっており、改善に向けた動きなどが色々あるなかで、時々聞く言説に、「日本はサービス過剰すぎる、アメリカみたいにもっと適当なサービスでよいのではないか」というものがある。日本の配送関連サービスが優れているのは自他ともに異論はないと思うけど、じゃあその優れたサービスに慣れた我々が、サービスレベルの低下を受け入れられるのかどうかを考えると、なかなか簡単ではないと思ってる。

 

個人的には、アメリカに来てから、アメリカの配送関連サービスはひどすぎて、日本の宅配サービスはなんて素晴らしかったんだ!日本のサービスはこのままでいて!と強く思った。日本の素晴らしいサービスのためなら年間1万円くらい追加で出費しても全然いいよ。無理なくまわるためにお金が必要なのであれば全然払うから今の水準のサービスを続けてほしいと思っています。

アメリカでAmazonを使ったオンラインショッピングがどんな感じかを以下に記すので、これを受け入れられるかどうか色々な人に考えてほしいなと思う。(配送の問題はAmazonだけの問題ではないし配送業者の制度とか色々絡み合って今の状態になってるんだろうから単純比較できないけれど、同じサービスの方がわかりやすいかと思うので)

 

まず、基本情報はこの記事のとおりです。

http://s.news.mynavi.jp/column/svalley/697/
プライム会員は年会費99ドルで、プライム対象商品は送料無料で2日後配送。一部の都市圏は一部の商品の即日配送に対応していて、35ドル以上の注文だと即日配送してくれる。勿論、配送時に日本みたいに時間指定はできない。受取先をAmazonロッカーに選択することはできる。

アメリカは国土が広大だからか、とにかくモノが届くまでが遅い。普通のオンラインショッピングだと、届くまで7日から10日がデフォルトという感じ。たとえばさっきIKEAのオンラインショップでクッションを買おうとしたけど、在庫ありとなっているのに届くのは9日後になっている(送料は11ドル)。
そんなのんびりした国で、年に99ドル(今の為替だと一万千円くらいですかね)払ってプライム会員になると午前中までに頼めば基本2日後に届く。
私はアパート(日本でいうマンション)に住んでいるので、管理人が全部かわりにひきとってくれるので、こちらの記事にあるような軒先前放置はされていないです。でも近所をドライブしていると一軒家の前に普通に隠すわけでもなくAmazonの段ボールが置かれているのが見える。 DCは最近雪が降っているので雪に埋もれてる。

 

で、私もプライム会員になってAmazonで買い物を繰り返していますが、サービスにオイオイとなることが多い。具体的には、 

・配達日遅延
年間1万円以上払っているのに、プライム会員の最大の権利である2日後配達が遵守されるのは7割程度。しょっちゅう配達日が遅れる。遅れると連絡がきて3日後に届く日もあれば、何の連絡もなく、途中でどっかいったのか6日後くらいに突然来る日もある。週末使うから水曜に頼めばいいか、などと計画しても使えない可能性がある。

 

・包装の雑さ
日本ではよくAmazonの包装が過剰すぎるというふうに言われますね。小さい商品でも嫌がらせのように大きな段ボールにいれてくる、など。
でもアメリカAmazonの梱包はめちゃくちゃに雑。これは、本と雑貨が一緒に配送されてきたとき。

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ガムテープで箱を固定しているから、取り出すときに箱がガムテープのカスだらけに。しかも爪でひっかいてもとれないタイプの粘着素材。買ったばかりなのに箱がもうこんなきたない状態なわけです。
また、加湿器を買ったときも、段ボールには入らず商品の箱そのまま送られてきた。シールもそのまま貼られ(これまたきれいに剥がせないやつ)、アパートの部屋番号がマジックで書いてある。

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商品の箱ってしまう時とか、中古で売る時とかに使うもので、商品の一部だと個人的には思っているんだけど、そういう感覚は一切ないんですな。。。これ、アパートだからいいけど、一軒家で庭とかに放置されたら、商品自体も濡れてしまうんじゃなかろうか。

こういう包装が嫌なら自分用でもお金払ってギフト包装にしてもらえ、ということね。あとは、ひどく傷ついてたらAmazonに返品することはできるけど、返品してしまうと返品中は使用できないわけでそれもまたどうなのよと思ってしまう。。最初から普通に箱に入れて送ってくれればいいのに…

 

・プライム対応じゃない商品の配送予想はこんな感じ。

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これを検索したのは3月5日ですけど、在庫ありなのになぜこんなに遅いんだろうか。
最速配送(1.5ドル)、通常配送(0.5ドル)、エコノミー配送(無料)で、金払って最速にしても9日後にしか届かない可能性が高いんですよね。また、体感としてはプライム対応商品の割合が日本と比較してかなり少ない気がする。なのでプライム会員でも、この商品を無料で届けて欲しければ10日から18日待たなければいけないし、急いでいても1.5ドル払って4日から9日待たないと届かないというね。

 

私はアパートで軒先荷物放置のストレスがない分まだ恵まれてると思うけど、一軒家に住んでる知り合いは、しょっちゅう荷物がなくなったとか、不在時に荷物を隣の人に預けられて、隣の人がそれを間違えて開けてしまって中身を見られてしまったとか、色々文句を言ってます。個人的には自分宛の荷物を近所の人に勝手に預けるのはまじで受け入れられないな…

Amazon受取ボックスもどんどん増えているからAmazon側も努力はしてるんだろうけどね。

なお、近所のスーパーにあるAmazonロッカーはこちら。ロッカーごとに固有の名前がついてる。

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アメリカで雑な配送サービスに直面するたびに日本の配送のレベルの高さに改めて感動するけれど、そのレベルを維持するためのコストのことも考えていかないといけないと思う。