アラサー女の東海岸一人暮らし

ワシントンDCに住む女の考えごと

1人で映画とコンサートに行ったらカップルばかりで辛かった話

先日映画とコンサートを観に行った。1人で。どちらも鑑賞対象自体はよかったんだけど、あまりに周囲がカップルばかりで居づらかったという話。

 

・映画
日本では(特に都会では)1人で映画なんか珍しくもなんともないと思うけど、こちらはなにかと最小単位が2人の国なので映画も基本は誰かと見るものらしい。"alone cinema"とかで検索すれば、1人で映画いくのどう思いますかみたいな相談や「1人で映画にいく10のメリット」みたいな記事がわんさか出てくる。それくらい1人で映画に行くということはまだマイナーなことのようだ。
まぁ、誰かと行こうにも1人で来てるんだからしょうがない。それでも平日の夜ならば、休日よりは1人客が多いんじゃないか、と思って、地元(DC中心部から電車15分の住宅街)で見る。19時からの回。11.50ドルにサービス費用1ドルで12.50ドル。オンラインで予約。ちなみにこちらの映画料金は曜日とか時間帯で細かく変わる。平日の昼なんか激安だ。

映画館につくと、やはり1人客は私だけだった。アカデミー賞候補だったララランドを見たんだけど、公開からしばらく経ってるからか客の埋まりは3割。そのうちほとんどが夫婦もしくはカップル、1組だけ母娘の組み合わせがいた。

ポップコーンを買って食べたらなんかあんまり塩気がなくて本場なのに美味しくないなーと思ってたら、後から聞いたら自分でバターを好きなだけかけるシステムだったらしい!道理でしょっぱくないはずだ。

で、私の中のアメリカ人のイメージはとにかく映画とかに対しておおげさなリアクションするものだと思っていたのでそれを密かに楽しみにしていたんだけど、リアクションはあんまりなかった。まぁ恋愛というか夢追い人の人生を描くミュージカル映画だから当たり前か。
でも、悲しいシーンでOh...とか言ってカップルで背中を撫であったりしていた。あと上映中ずっとチュッチュしているカップルがいてずっと視界に入っていたので何しに来てんだよとめちゃくちゃイライラした。リアクションはないけど常にイチャイチャはありました。はー、私の横には誰もいねえ!

 

・ライブ
アーティストのライブと言うのも行ったことなかったので映画に行った数日後に行ってみた。学生の頃によくゴスペルを聞いてたんだけど、天使にラブソングを2でOh happy dayを歌ってた天才子役がLauren Hillという人。アメリカで知らない人はいないというくらいの有名な黒人歌手です。洋楽は全然詳しくないけどiTunesの中でOh happy dayのアーティストとして表示されてたから名前に見覚えがあって、全国ツアー中で丁度DCにも来るとのことでチケットを申し込んでみた。
チケットの申し込みはアメリカのチケット取扱業者最大手のTicketmaster。席によって細かく値段が違うので適当に8000円くらいのかなり後ろの方の席を取る。このTicketmaster、自分が買った後にそのチケットを使うか、人に渡すか(Transfer)、売る(sell)か選べる。日本だとチケット転売が問題になってるけども、いい仕組みだよね。
当日会場に向かった。会場はWarner theaterというところで、キャパは日本でいう帝国劇場くらい。公演開始は20時。20時前につくと、会場にいくつかバーがあってみんな飲んだり食べたりしている。驚いたのはその飲食物を席に持ち込んで、公演中食べたり飲んだりしてよい。確かに宝塚劇場とかは持ち込めるけど、食べられるのは休憩中だけだし意外だった。
20時前に座席に着く。空席が意外と多くて、驚く。当然ながら、周囲に1人の客は全然いない。8割がカップルor夫婦、残りが友人同士という感じ。唯一、遠くの方にひとりでいる女性が見える。よかった、仲間がいた。
で、これが一番驚いたことなんだけど、前座の演奏がめっちゃ長い。なんと、20時に開演して本人が登場したのは22時15分!!!それまでの二時間超、前座が演奏するか電気がついた休憩時間。アメリカの大物アーティストは大物であればあるほど前座が長いそうだ。
そのながーーーーーい前座の演奏中みんなバーにお酒を買いに行ってガンガン飲みながら演奏に合わせて踊っている。完全にクラブ状態である。クラブ状態であるということは、イコール男女がいちゃついてるということである。あ、男男もいたけど。もうとにかくずっとイチャイチャ、キスしたり体を密着させたり撫でまわしあったりしている。私の隣は40歳くらいの女性だったんだけど夫と思わしき人と来ており、夫が女性の背中を撫でるたびに夫の肘が私の体に当たるんですな。でもお構いなし。人に物理的に迷惑をかけてまでイチャイチャしたいか!?舞台を見ようにも、視界に入るほとんどがカップルで、もう皆それがルールかのように酒を飲みながらいちゃついてる。
救いを求めるような気持ちで先ほど見つけた1人客の女性に目をやると、いつの間にか夫か彼氏が合流しており、そいつと肩を組んでいる。ブルータス、お前もか。
長い長い前座の後に出て来た本人のコンサートは確かにパワフルな歌唱で、知ってる曲もやったしすごくよかったんだけど、なんかもう周りの雰囲気に疲れてしまったので最後まで見ずに帰ってしまった。(あと照明がすごく強くてぐるぐる回る軌跡の正面にいたから眩しくて目が痛くて限界だった) 22時15分に本人登場で何時に終わったのかな。メトロは23時超えたあたりから本数がぐっと少なくなるんだけども。きっとみんな飲んでるけど車で帰るのね。


映画とライブとで、1人なのが自分だけで、周囲はほとんど同行者がおりいちゃついているというのが続いて、どちらもそんなの気にしなきゃいいと言えばそれまでだけども、1人でその場にいるのは結構精神的に厳しいなと思った。

アメリカは1人での行動があまりよく思われない気がする。レストランとかでも1人の人ってほとんど見かけない。私がレストランの入り口で1人と告げると聞き直されたりする。バーにも1人の人っていない。男性の同僚に、バーに女性が1人で来てたらどう思う?って聞いたら、「可哀想だから声かける」と言っていて、そんなお情けでナンパされるのめちゃくちゃ屈辱的じゃない?
夜出かけるときはとにかくカップルで、というのが一般的のようだ。もちろん場所によっては家族とか友達もあるんだろうけども。コンサートも誰のコンサートかによって違うだろうけども。

1人で生きにくい、という点についてもっと掘り下げて考えてみたいと思ってる。1人じゃ遊びにくい世の中だから誰かと付き合おう、結婚しようというモチベーションが生まれるような気もする。
なお、アメリカも晩婚化が進んでると言われてるけど平均初婚年齢は男性29.5歳、女性27.4歳とのこと。日本は2015年時点で男性31.1歳、女性で29.4歳。女性は日本より2歳若いのね。

ちょうど、アメリカで数年前にとても売れたGoing Soloという本を読み始めたところなので、それを読んでまた考えたことを書こうと思います。