アラサー女の東海岸一人暮らし

ワシントンDCに住む女の考えごと

購買欲を半端なく刺激してくる国、アメリカ

 アメリカは個人消費GDPの70%を占める。勿論世界一の割合だ。

日本も60%程度で、中国に次いで第3位とかなのでそんなにひけをとってはいないのだろうが、やっぱりアメリカに住んでいると、肌感覚でアメリカ人の消費熱はすごいと感じる。
 
それには色々な要素があると思うけど、小売業界が、人々の購買欲をうまいこと刺激して人に金を使わせるのがうまい、というのもあると思う。
(個人的には、アメリカ人が貯蓄をあまりしない、ということも大きな要素だと思いますが、この話はまた今度したい)
 
特にファッション業界。
私も、日本にいるときから買い物大好きで、百貨店やら駅ビルやらで洋服、バッグ、アクセサリーなどを相当買い漁っており、同世代と比較するとかなりファッションに金をつぎこんできたが、このアメリカのファッション業界の金を使わせる戦略にもまんまと嵌ってしまっている。
なおアメリカで好きなブランドはTory BurchとHenri BendelとKate SpadeとRalph Laurenです。カラフル大好き!日本よりずっと安く買えるし!っていま思うと全部ニューヨークブランドですな。
 
人に金を使わせるのがうまいなあと思う理由を分解してみると、以下のような感じになると思う。
 
1.しょっちゅうセールをやっている
2.いつも何らかのプロモーションをやっている
3.すごい量のメールがくる
4.タイムセールがやってる
5.キャッシュバックサイトが充実
6.返品できる
7.外税表記
 
 
1.しょっちゅうセールをやっている
日本ではセールは基本的には、夏と冬の2回。百貨店ごとに後ろ倒しをしたりと色々施策はしているし、ルミネの10%オフは年に4回くらいやっているので、すべてが年2回というわけでもないとは思うけど、大きなセールは基本年2回かと思われる。
アメリカでは、最低でも
1月ニューイヤーズセール、
3月イースターセール
7月インディペンデンスデーセール、
11月サンクスギビングデーセール、
と5回セールがある。
特に有名なのはブラックフライデーを含むサンクスギビングセールですかね。日本でもよくニュースになっているけれど、割引率が半端じゃなくて、売り場は戦場になるらしいですね、まだ経験していないので楽しみ。
セールで安くなっていると、購買欲が刺激されるのは人間の(女性の?)本能みたいなものなので、セールがあればあるほど買ってしまうのはしょうがないですよね。
 
あとはジャンルごとにこの月が安いとかあるみたい。
 
2.いつも何らかのプロモーションをやっている
一番多いのは、"Buy One, Get One"で1つの値段で2つ買えるというもの。これが子供服とかになるとBuy 5, Get 5などになる。5着の金額で10着買えるのはありがたいけど、服をそんな一気に10着も買うだろうかという気がしてしまうが、アメリカのスケールだと普通のことみたい。
あとは、”$200以上買うと10%オフ、$250以上買うと20%オフ、$300以上買うと25%オフ”みたいに買えば買うほど割引率がよくなるもの。
これはセールの時期に関係なく、どこでもいつもやってる。
日本でも最近アウトレット店舗とかでこの手のプロモーションが増えていると思う。でもブランドの本店ではあまり見かけないよね。
ほかにも、”〇〇$以上買うとこの商品が通常の半額で買える”とかもありますね。個人的にこれが曲者…。
フロリダのディズニーワールド行ったときも、「$100以上買うと、このグッズを$20で買えます!」というプロモーションをやっていてまんまとひっかってしまった。そのグッズは単品では発売していなくて、それだけでちょっとレア度が高いような気がしてね…しかも$20というのがまたグッズの価値を考えると割と安めの金額でだね…最初買おうとしていたものが$100いかなかったのに、追加で買って$100にして、欲しいと当初は思ってなかったそのグッズを買ってしまったという。私みたいなチョロい客が消費に貢献しているんだよ!
 
3.すごい量のメールがくる
ブランドのオンラインショップに行くと、メンバー登録すると初回のショッピングは15%オフ、などとなっているので、思わず割引目当てにメールアドレスを登録してしまう。すると、翌日からすごい量のメールがくる。新商品発売のお知らせ、セールのお知らせ、店舗開設のお知らせ、とにかくあの手この手でサイトに誘導してくる。日本でも勿論こういったマーケティングはあるだろうが、グイグイくる感じが半端じゃない。ウザさも半端でないが。笑
参考までに、私のメールの受信ボックスはこんな感じだ。(あまりにもメールの数が増えたので、ショッピング専用のアドレスを作っている)
 f:id:dcdemorouhi:20170510095745j:image
タイトルもまた、購買欲を煽るのがうまくて困る困る…
 
4.タイムセールがやってる
オンラインサイトで「いまから1時間の間だけ15%オフです」みたいなタイムセールを時々やる。画面上には、[残り時間47:23]みたいな感じで、一秒刻みにカウントダウンしていくもんだから、心理的に追い立てられるように買ってしまいそうになる。
Kate Spadeなども「定価$239のバッグが今日に限りこのバッグが$159です」とかいう広告をFacebookに載せてくるもんだから、えっ安!と思って思わずクリックしてしまう。
 
こんなにしょっちゅうセールをやっていると、安く買えるイメージがついて、定価で買う人なんていなくなるんじゃないかと思うんだけど、そこはどういう戦略なんだろうか、気になる。
 
5.キャッシュバックサイトが充実
日本でもポイントサイトというのか、オンラインでした買い物に対してポイントがつくというサイトがあるが(ハピタスとかですかね、私は利用していないので詳しくないが)、アメリカでは買い物した金額に対してその何%かを、文字通りキャッシュでそのままバックしてくれるサイトがいくつもある。
私がよく使っているのは、
Ebates
TopCashback
の2つ。
上記リンクから登録して買い物をすると私にも紹介費としてキャッシュバックが入るので、もし登録しようとしている人はぜひ上のリンクからよろしくお願いします。あやしい勧誘みたいですが、あやしくないです。というと余計にあやしいな…笑
 
どちらも、このサイトに登録して、このサイトを踏んだあとにそのブラウザで各ブランドショップで買い物をするだけで、買い物した金額の何%かが自動でキャッシュバックされる。キャッシュバック率は日々変動する。受け取り方は小切手郵送かペイパルへの入金なので、とても便利。
Amazonもカテゴリによってはキャッシュバックされるし、私の大好きなTory Burchやら、化粧品をいつも買っているSEPHOLAに、L'occitaneやThe Body Shopとかも常にキャッシュバックされるので、まだ数か月しか使ってないけどebatesだけで既に30ドル近くバックを受けてます。あとExpediaも対象なので、旅行にいくとどかんと入る。
 
こういうキャッシュバックが受けれるとなると、セールに加えてお得な気がするので、しょっちゅう「今日はキャッシュバック率が高くなってるショップあるかな~」などと見てしまう。そして買い物をしてしまう。嗚呼チョロい消費者であることよ・・・・よくできているよほんと。
 
 
6.返品できる
返品しやすい、というのも、財布の紐がゆるみやすい理由のひとつではなかろうか。ご存知のとおり、アメリカは本当に返品天国で、店舗で買おうがオンラインで買おうが、返品が容易だ。お店の返品コーナーにはいつも人がいる。セールやクリスマスの後などはすごい人だろうな。
また、返品の理由がすごい。買ったはいいけど気に入らなかったから、が返品の理由として成立する。
日本だと購入何日以内とか、新品と同等じゃないとだめとか、色々と限定があるし、返品理由もサイズがあわなかったとか、そういったことがほとんどだけど、アメリカでは、どんなにボロくなってようが、理由がどんなに利己的なものだろうが、原則返品できることになっている。早い話が、「しばらく使ったけどもう飽きたから店に返す」ということができる。
逆にいうと物を買うときは、誰かが一度買って返品したもので傷がついているかもしれないのでチェックが必要だけど。
先日大好きなTory Burch(しつこい)のオンラインショップで靴を買った時も、送られてきた商品の中に返品用の配送ラベルが入っていた。それだけ返品前提ということなんだろう。
 
この返品にかかる費用をだれが負担しているのか、詳しくは知らない。少なくとも売るときに最初からかなりの確率の返品を見込んでいるのだろう。
ちょっと古いけど、この記事によると流通業者のようだけれども。今もそうなんだろうか?
 
気に入らなかったら後で返品してよいですよ、というボトムラインがあるからこそ、とりあえず買ってみるかの精神で大量に購買する、ということができているわけで、アメリカの個人の大量消費は、この考えに支えられているのだと思う。そう思うと、そういう背景がないのに6割も個人消費をしている日本はもう少し褒められてもよいのでは?
 
7.外税表記
アメリカにおいて、日本の消費税に一番近いのはSales taxかと思われる。これは州ごとに違う。オレゴン州はSales tax が0%だけど、一番高いテネシー州では9.46%。基本的には都市部のほうが高い。で、基本的に州内での取引(州内の実店舗で買う、オンラインの場合は州内に店舗があれば州内取引とみなされる)に課税される。間違ってたらすみません。
つまり、買い手がどこの州にいるかによって、かかる税金が違う。なのでオンラインショッピングだと最後の画面で請求先の住所を入力するまで、消費税がわからない。したがって商品一覧のようなページに書いてある値段は基本的に税金別の値段だ。
これは完全に慣れの問題だと思うのだけど、日本の内税表記(+多くの送料無料サービス)に慣れた身としては、どうしてもその値段ぽっきりで買えてしまうような気がして、「おー$129.99かー。$130切るならなんかお得だな、買っちゃうか」などと思うのだが、送料が予想以上にかかったり、システムプロセスフィーとかいう謎の金額が数ドル追加されたりして、最後の決済画面でなんだかんだ$148くらいになっており、「あれ?意外と多くない?」などと思うことが多い。しかし決済画面まで来てるし、今更引き返す気にもならなくて結局買ってしまう。。
まあこれは内税表記の国の人にとってパッと見安そうに見えるので、より購買意欲が刺激されるというだけのことですが。
  
とにもかくにも、アメリカはあの手この手で購買欲を煽ってくるので、危険!!!
あと個人的には、当たり前のことだけど米国ブランドは日本よりかなり安く買えるので、それだけで財布の紐がゆるんでしまう。。。Coachなんて日本でもアウトレットで安売りしている代表格になっているが、この前こちらのアウトレットにいったら今春の新商品が4月初旬の時点で80%オフくらいになっており思わず買ってしまった。日本じゃこんなに安く買えないと思うと、それだけで欲しくなってきてしまう。
 
最近よくニュースで、郊外のモールが売れず、潰れて廃墟になってる(なのでそこに出店してるスターバックスも閉店)みたいな報道がされている。
でも最近は、ファッション小売企業自身がオンライン寄りの施策をしており、店舗に行くよりオンラインで買ったほうがどう考えても安い(送料を差し引いても)ので、そりゃそうだろうなと思う。
 
と、まあこんな記事をつらつら書いていたら、CoachがKate Spadeを買収するとの報道。
その報道のなかで、今後はonline flash salesを抑制する、と言っているのでタイムセールは少なくなっていくかもね。
 
”In tune with Coach's turnaround strategy, which includes limiting discounts and distribution to regain its brand cachet, the company will cut back Kate Spade's sales to department stores and curb online flash sales while expanding the brand's presence in Asia and Europe.”
 
買い物をしているときに、欲しくて悩んでいると、よく店員さんが”This is very tempting, right?”と言ってくる。tempt=誘惑する、という意味だけど、こんなしっくりくる形容詞もそうない。日々、temptedされて困っているよほんと…。