アラサー女の東海岸一人暮らし

ワシントンDCに住む女の考えごと

アメリカ人の服装 その3 (日本人との意識の違い)

アメリカのファッションについて、オフィスの服装の様子は書いた通りなので、それ以外について思ったことなど。

そういえばこの記事に限らずいつも「アメリカ人は」と巨大な主語で書いてますが、私の観測範囲(地域的にはワシントンDC)で見られるアメリカ人ぽく見える人、について私の勝手な推測をしているだけですので、その点了解されたし。何事にも例外はある。

 

アメリカにきて思ったこと。
(おしゃれな人もいる!勿論います!だけど日本から来た人は総合的にはこんな感想を抱くんじゃなかろうか。)

1.アメリカ人は(日本人と比較して)服に金をかけない
2.アメリカ人は(日本人と比較して)おしゃれじゃない


同僚女性に服どこで買ってるの?って聞くと、ギャップとかターゲット(アメリカ版イトーヨーカドー)とかウォルマート(アメリカ版イオン?)という答えが返ってくることが多い。一応勤務先は名の知れたところなので給料水準はそれなりに高いと思う。なのにだ。
日本だと、地域差とか個人のこだわりによる違いは勿論はあると思うけど、基本的にみんなデパートとか駅ビルとか路面店にあるファッション専門店で服を買うのではなかろうか。実はみんなこっそりイトーヨーカドーとかにお世話になってたりするものの、この服イトーヨーカドーで買ったよ!とはなかなか堂々と言わない気がする。
こちらにきてファッションの仕事をしている友人に聞くと、アメリカの服は世界中で売ってるような高級ブランドと、安い服と二極化してるんだそうな。で、一部のセレブを除きほぼ全ての人が安い服しか買わない。安い服というのは、ブランドだとGAP、H&MZARA、オールドネイビーなどなど。あとは上述したような巨大スーパーの中で売ってるような服ね。シャツ20ドルとかワンピース35ドルとかそんなやつ。価格は日本で言うとしまむらに近いのだろうか。しかししまむらほど流行を取り入れてるわけでもなく、デザインの特徴もなく質がいいわけでもないただの服を一枚でデンと着ている人が多い。
日本にもファストファッションはあるし、買う人も増えてると思うけれど、それより高めの価格帯のブランドの服と合わせたり、安っぽくない色を選んだり、みんな「おしゃれに取り入れてる」よね。
アメリカ人は、もう「はい、スーパーで買った服いま着てます」みたいなのがよくわかる。サイズ明らかに違うだろ、とツッコミをいれたくなるような謎のサイズ感で服を着ている人も多い。

日本と比較した時の、ファッションへの金のかけなさ、意識の薄さはなぜなのかなぁと考えてみたけど、思いつく理由は以下のようなことかなぁ。勝手な想像です。

 

・洗濯機と乾燥機があまりに強力なので(洗濯機乾燥機への怒りはまた改めて書く。日本から持ってきたパジャマは1回洗って乾燥機かけただけで穴が空いた)、洗えば洗うほど服はどんどんぼろくなり縮んでいく。なので安い服しか買う気にならない。
・大学が寮の場合が多く、家と大学がほぼ一体化してることから大学におしゃれしていくという概念がない。
・中学高校に制服がないため、幼い頃からずっと私服で過ごしている。日本の中高生は平日(多くの場合ダサいと生徒たちは思っている)制服を着ることにより、土日に反動のようにおしゃれして出かけるが、そういった制約がないためおしゃれ心が育たない。
・基本車での移動なので、電車など他の人の格好とまじまじ比較される場が少なく、どうでもよいかという気分になる。(これは個人的によく感じることで、メトロ乗って買い物に行くときなら、あー化粧しなきゃなと思うが、車で買い物に行くときは、まぁ見られるの店の中だけだししなくていいか…、という心理が働いている)
・おしゃれな服は性犯罪に合いやすい。アメリカは日本より治安が悪く性犯罪の割合も多い。ミニスカートなどは扇情的なため、自衛のために履かない。…と思ったけど、こちらの女性、体の線が出ている服はめっちゃ着ているな。でも昔なにかの海外ドラマでレイプにあわないためにはジーパンを履け(脱がしにくいから)、と言っていたのを聞いたので、スカートは確かに、より脱がされやすい格好なのかもしれない。
・おしゃれしようと意気込むとき、日本人は洋服にかわいさを求める。アメリカ人はセクシーさを求める。かわいい服はそのシルエットを保つための縫製とか布地、あと刺繍に凝ってたりするからその分凝ってて値段もあがるし選択肢も広いが、セクシーな服は体のラインさえ出れば目的が達成されるので、デザインのパターンがそんなにない。
・(男性の場合、)おしゃれな人はゲイとして見られる。私が住んでる街がゲイタウンとして有名なこともあるけど、街中でおしゃれだなと目で追ってしまう男性は大抵彼氏連れだ。ゲイカップル(特に若いカップル)のファッションは二人しておしゃれな場合が多くていつも感心して見ている。だから逆におしゃれだとゲイだと認識されやすい、のかも。
ちょうどこの前同僚の外国人男性と歩いていて、ショーウィンドウにあった服を見かけて「わたしこの服装好き」と言ったら「こんなキメてたらゲイの人にモテちゃうかも」と笑ってた。それは別にゲイを差別してるとか下に見てるとかじゃなくて、多分日本での感覚に直したら「こんなに伊達なスーツ着たら百貨店のバイヤーだと思われるよw」みたいな、そんな感じ。この性的マイノリティーを超自然に受け入れてる人が多い感じは私がDCを好きな理由のうちのひとつ。

 

話は逸れましたがこれらの理由がなんとなく絡みあっているのではないかな、と個人的には思ってます。他になにか理由を思いつく人は是非教えて欲しい。女性のファッションの話ばかりになってしまったので男性のファッションについてもよく観察していきたいな。

 

改めて考えると、日本の、着る人各々が日々細かい工夫を凝らしているようなファッションも好きだし、アメリカの、着れりゃいいのよ!そんなことに悩まないで!中身で判断よ!みたいなファッションも好きだし、どっちもいいとこがあるなぁと思いました。

 

そういえば、ZARAに買い物に行ったらセールをやってたんだけど、売り物の服がたくさん床に散乱しててびっくりした。(写真奥の方注目)陳列棚の上も服が靴とごちゃ混ぜになって置いてある。セール期間なんかは人がたくさんくるからこれが普通らしい。誰に踏みつけられたかわからない服なんか買いたくないよね…安いとはいえもっと服を大事にして欲しいけど…悲しい光景。

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※アメリカ人の支出のうち被服の割合を示したものがないかなぁと探してみたけど、ぱっとは見つからなかったので、引き続き探します。